とても物事が曖昧な時間。
常夜灯に灯りが灯る時間帯。
つまり現世と幽世の境目である。
黄昏時と言えば少し聞こえはいいが、その実、誰彼時とも書くように「誰そ?彼?」といった実に曖昧な相手の存在すらまともに認識できないぼんやりした状態の事を言っているのだから、ふとした時に物悲しい。
そういえば子供の頃、あの角を曲がったところから「何か」が飛び出してくるんじゃないか、「おや?あの人影はなんだろう?」と後ろを確かめ横を確かめ家に向かっていたのを思い出す。
流石に今はそんな事は無いが、それでも時折「誰そ?彼?」といった風にすれ違う人に呆けたように目を向ける事がある。
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