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銀色の未来

自分は1970年を知らない。
銀色の未来を人々は思い浮かべていたけれど、銀色の未来は来なかった。
チューブの中を車が走ることも無かったし、巨大ロボットが空を飛ぶ事も無かった。
人類の進歩と調和。
満面の笑みを浮かべた群集をよそに万博がはっきりピリオドを打った。
白い太陽の塔が言う。
人は進歩などしていないし、調和など逆に己の首を絞める事になる。
そんな未来は来ないと。
灰色のコンクリートが乱立し、白い色のものが増え始めた。
銀色ではなく灰色と白い未来が訪れた。
宇宙服も銀色から白になった。
本当に銀色の未来は来なかった。
バブルの泡沫が弾ける音と共に世間に放り出された自分たち。
1999年にアンゴルモアの大王が降ってくる事は無く21世紀が訪れた。
1980年を少し過ぎた頃に初めて食べたケンタッキーフライドチキンの味を忘れていない。
千里中央で食べた。
店内は一面の白。
そう、白い未来はここまで来ていた。
万博公園で家族と一緒に弁当を広げた。
遠足でも何度か訪れた。
それからしばらく経って3年間の高校生活も千里中央で送った。
千里はたえず近くに存在していた。
千里の道は万里に通ず。
自分は今、どの辺りに立っているのだろうか。
其処此処に残る色。
千里はまだ銀色の未来を信じているようだった。
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